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[現代経営研究会]一流ホテルのコロナ処世術とは? 帝国ホテル社長・定保氏による第5回講演を開催

現代経営,大学院

2021.12.03

11/24(水)、「現代経営研究会」の第5回講演をZoomウェビナーで開催。なお、感染症対策を徹底したうえで、少人数の学生のみ対面形式で受講しました。
今回の講師は、株式会社帝国ホテル代表取締役社長の定保(さだやす)英弥氏。「『逆境の時こそ力を尽くす』―帝国ホテルの企業理念と現場力」というテーマでお話しいただきました。

大卒で帝国ホテルに入社し、現場経験を積んだのち代表取締役社長に就任した定保氏

冒頭では、創業131年を誇る帝国ホテルの歴史を紹介。明治政府が近代化を進める中で、「日本の迎賓館」としての役目を担って誕生したことや、大河ドラマで話題の渋沢栄一が初代会長を務めたというお話も。今回の演題「逆境の時こそ力を尽くす」は、渋沢栄一が関東大震災の復興にあたって残したメッセージであり、帝国ホテルに脈々と受け継がれる精神のひとつでもあるそうです。

海外の要人を迎えるため、明治政府の主導で建設されたという帝国ホテルの歴史を紹介

「帝国ホテルはこれまで、渋沢栄一翁の教えに従い、岐路に直面するたびに挑戦を繰り返してきました。現在のコロナ禍という逆境の中でも、さまざまなチャレンジを行っています」と定保氏。全従業員にコロナ禍を乗り切るアイデアを募集したところ、わずか1週間で5000件を超える提案が集まり、そうした「現場の声」も反映しながら改革を進めてきたそうです。その一例として、「オーダーバイキングの導入」や「従業員食堂の自営化」、「サービスアパートメント事業」などをご紹介いただきました。

空室を有効活用するべく開始した「サービスアパートメント事業」についての解説

帝国ホテルはSDGsにも積極的に取り組んでいますが、「オーダーバイキングの導入」や「従業員食堂の自営化」は、結果的に食品ロス削減にもつながっているとのこと。逆境の中で生まれた取り組みが、SDGsを加速させる一助にもなっているようです。
一流ホテルのおもてなしの背景にある理念や、コロナ処世術を知る貴重な機会となった今回の講演。講演後には会場とリモート参加者から多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。

対面参加した学生の質問に回答する定保氏

次回、今期の最終回となる現代経営研究会は12/8(水)に開催。株式会社クオレ・シー・キューブ代表取締役会長の岡田康子氏を迎え、「ダイバーシティやイノベーションを阻害するハラスメント問題」というテーマで講演いただきます。

詳細・受講のお申込み(事前登録制)は以下リンク先にてご確認ください。
※一般の方々はZoomウェビナーでのご参加となります。ご了承ください。https://www.tyg.jp/koukaikouza/business/index.html