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森林サービス産業とビジネスの両立を考える。隈本ゼミのゲスト講義

産官学連携,現代経営

2022.07.01

現代経営学部の「マーケティングと消費者行動研究ゼミ」(隈本純教授)にて、フィノス株式会社の和田雄一氏をお招きし、SDGsを意識した林業再生事業と、同社が手掛けるビジネスとして持続可能な森林サービス産業の構想についてお話しいただきました。

和田雄一氏

フィノス株式会社は、森林資源の有効利用と地域ブランディングのための新たな幅広な林業、森林サービス産業を手掛けるベンチャー企業です。
育林や木材生産、整備した森林で事業・サービスを多角的に展開することで、持続可能なビジネスモデルを構築することをコンセプトとしています。

講義前半では、日本の森林や林業の現況についてデータを用いて紹介。
終戦直後から高度経済成長期に造林された人工林は約1,020万ヘクタールあり、その半数が現在本格的な利用期を迎えているが、林業に従事する人が減少し、木材の価格も下がってしまっていると指摘しました。


また、山や森林は本来さまざまな機能を持っているが、そのほとんどは手入れが不十分なことにより機能不全に陥っている問題にも言及。
そのような森林を整備し、収益性を確保しながら「人が自然とのつながりを取り戻す場」「再生可能エネルギーを使って事業を行い、SDGsを実証する場」として生まれ変わらせる構想をお話しいただきました。

講義後半は、質疑応答タイム。
森林整備におけるリスクマネジメントや、地元住民との協力についての質問のほか、「地産地消や農業体験ができる場所を作って、森林に付加価値を加えるのはどうか?」「コロナで地方移住の可能性が広がった現状を生かせないか?」など、今後の森林活用アイデアも多数出ました。

質疑応答の様子

日本の森林の現状を知り、SDGsと森林整備や林業との関係性を整理したことで、持続可能な社会の実現とビジネスの両立について具体的なヒントを得るきっかけとなりました。

隈本ゼミでは今後、グループに分かれてデータ調査に臨み、実地調査などの学外研修を経て、森林の新たな活用アイデアを同社へ提案する予定です。