Academic Life & Research
教育・研究
トレーラーハウスの新たな活用アイデアを提案。安藤ゼミの最終発表会
2023.02.15
1/23(月)、現代経営学部の「新商品開発ゼミ」(安藤拓生准教授)と株式会社カンバーランド・ジャパンによる産学連携プロジェクトの最終発表会を行いました。

同プロジェクトは、“動産”であるトレーラーハウスの新たなビジネスアイデアや新しい商品を学生たちが企画し、企業に提案することを目指して実施。
今年度は「これからの社会に“動産”の価値を活用した製品・サービスを提案する」をテーマに、ゼミ生たちが河口湖のキャンプ場「森と湖の楽園」で宿泊体験を行うなど調査を続けてきました。
最終発表会には、(株)カンバーランド・ジャパン東京支社長の菊地聡氏、(株)ワークショップリゾート「森と湖の楽園」代表取締役社長の中西希氏をゲストに迎え、7班がプレゼンテーションを行いました。

菊地氏

中西氏
どの班も、これからの社会に向けたサスティナブルなビジネスの姿としての商品・サービスアイデアとビジネスモデルを考案しました。
最初の班は「オーダーメイド・デザイントレーラーのレンタルサービス」を提案。
アーティストのツアーライブの物販や期間限定のポップアップストアなどを想定し、トレーラーハウスの内装デザイン部門の設立とレンタル活用法を発表しました。

続いての提案は「大学生向けの『自信』向上プログラム」。
ゼミ合宿でトレーラーハウスに宿泊した体験から着想したもので、火起こしや食事の準備などを行う宿泊型プログラムを考案。
学生同士のコミュニケーションの促進を目指すという視点から、ゲストからは「就職活動やグループでの研修にも活かせそう」との声が寄せられました。

3番目の班は「家族向けトレーラー風呂」というアイデアを考案。
集合住宅の空き駐車場に着目し、銭湯や温泉施設よりはプライベートな空間がよいと感じている団地やマンション住まいの子育て世代ファミリーをターゲットにしたアイデアを提案しました。
しかし、ゲストからは東日本大震災でトレーラーハウス風呂の活用例があったという指摘が。ただ、「空き駐車場の活用という着眼点は良かった」と評価いただきました。

次は、「トレーラーハウスを使った一時保育サービス」の提案。
子育て世代が気軽に子どもを預けられる場所として、イベント会場や美容室・ネイルサロンなどの近くといった設置場所のアイデアに加え、災害時の保育所といった二次活用法まで示しました。

続く発表も同様の視点で「イベント託児サービス」というアイデア。
託児所サービスを導入している音楽フェスを参考事例に、利用料金やサービス内容を具体的に提案しました。ゲストからはトレーラーハウスである必要性と地方フェス会場周辺の土地の有効活用について、さらなるアイデアを期待したいという声が聞かれました。

6番目は、「自由を拡大する」というコンセプトで「家」としてのトレーラーハウスビジネスを提案。
資材の工夫や3Dプリンターの活用などで軽量化・低コスト化を進め、家を持つハードルを下げるアイデアを提示しました。
このアイデアに対してゲストからは「被災者への居住空間提供という視点もある」という実現に向けたアドバイスがおくられました。

最後の提案は「学生が働きながら一人暮らしができる寮」というアイデア。
親元を離れる学生に向けて、農業系・調理系・医療系など場所や機能をカスタマイズしやすいというトレーラーハウスの特性を活かし、学生の利便性と企業・学校のニーズを両立させる「寮」空間としての利用を提案しました。

講評では、「みなさんの想いに感動した。学生ならではの視点を生かしたアイデアをこれからも大切に」(菊地氏)、「動産に限らず、ヒト・モノ・カネと情報・アイデアを常に頭の中に置いて、様々な問題を解決していってほしい」(中西氏)という温かいコメントをいただきました。
安藤ゼミでは今後も同プロジェクトを発展させながら、学生が主体となって新商品開発や新規ビジネスの企画に取り組んでいく予定です。