Academic Life & Research
教育・研究
東日本大震災からの復興と地域への想いとは。人間科学部の学生5名による岩手県大槌町での学外研修
2023.11.20
人間科学部の科目 「地域創造演習」「人間社会演習」(宮園久栄教授)では、「東日本大震災から10年を経て、地域の再生を動かしたもの」をテーマに、9/8(金)・9(土)に岩手県大槌町での学外研修を実施。
5名の学生が参加し、10/10(火)には研修で感じたこと、学んだことの振り返りを行いました。

大槌町では、震災当時に大槌町の町長であった碇川豊氏にお話を伺ったほか、震災後に設立された新しい雇用の創出と、経済復興を通じて津波被害復興と地域再生に取り組む「一般社団法人 おらが大槌夢広場」「NPO法人 吉里吉里国」の方達から当時の様子を伺ったり、復興現場を案内していただいたり。さらには薪割り体験にもチャレンジ。
学生たちは被災地復興の道のりをより身近に感じられたようです。

吉里吉里国で森林保全整備活動の一環である薪割りを体験
10/10(火)に行われた研修後の振り返りでは、大槌の町民から聞いたこと、現地を見て感じたことを付箋に書き出していき、新しい発見を探すワークショップを実施しました。

ワークショップを通して学生たちが発見したキーワードは「愛着」。
震災時、同じ被災者でありながら避難して来た人々に炊き出しを用意した町民のエピソードから、「自分も大変な状況の中で相手のことを考えた町民の行動は、第三者からは『思いやり』『優しさ』に見えるが、大槌町の方々にとっては、人のために『当たり前』にできることだった。それは町民や町への愛着が理由なのでは」と考察しました。

さらに、「自分たちが東日本大震災を経験していたらどうしていたか」「もし東京で震災が起きたらどのようなことが起きるのか」「大槌町のような支え合いが当たり前のようにできるのか」など、様々な観点から自分たちが暮らす東京に置き換え、自分が被災者の立場になったと仮定して考える場面も。
研修に参加した学生たちは「(自分は)一人でいるのが好きで、人とのつながりが狭かった。大槌町の助け合いを見て、もう少しつながりを持ちたいと感じた」「就職後も仕事だけの関係ではなく、深く関わり合えたらいいなと思った」など感想を述べていました。
指導を担当する宮園教授のコメント
実際に現場を見て、現地の人の思いや考えを聞くことの重要性を改めて痛感した集中講義でした。一生懸命メモを取り、質問し、さらにみんなで議論している学生の姿に現場のインパクトを痛感。
現地の方たちから託されたバトン、学生たちはしっかり受け取り、自分ごととして考え行動し始めています。
教室では見られない学生たちの新たな一面を発見したと同時に、現地の方たちのサポートに感謝!の集中講義でした。