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今日の沖縄をめぐる国際関係への示唆。特別講座「未来は共に創る」第9回

地域間連携

2023.11.22

本学では、一般社団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
今年は「未来は共に創る――アジア共同体の新しい地平線」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
11/16(木)に開催された第9回は、講師として琉球大学名誉教授の上里賢一氏にご登壇いただきました。

今回の講義テーマは「琉球人の詠んだ中国」。
琉球漢詩について体系的な研究に取り組み、定年後のいまでも資料収集に取り組む上里氏から、近世琉球史を代表する人物である程順則の「雪堂燕遊艸」を中心に8つの琉球漢詩の解説を交えて、琉球と中国ならびに周辺国との文化交流史をお話いただきました。

上里氏

上里氏は冒頭、「何故、琉球にも漢詩があるか」「琉球漢詩とは何か」を中国との歴史的交流を紐解きながら解説。
続いて、今回の講義の中心、程順則については、近世琉球の始まりである島津支配下時代の政治家・教育者・文学者(漢詩人)として多面的な顔を紹介しました。

その後、琉球での中国化が進み、琉球を通して日本全国に広がった「産業」・「医学」・「儒学」への影響や今も残る琉球文化を画像とともに説明した上里氏。
最後に、「程順則が活躍した時代は東アジアの安定があって、琉球は経済的にも文化的にも花開いたと考えられる。それを現代に置き換えると沖縄の平和・安定のためには東アジアの政治的安定が必要不可欠で、国に頼らず、民間の力を活用して沖縄独自の外交をしていくことが、沖縄の生きる道を示すひとつのあり方だ」と述べて、講義を終えました。

質疑応答では、当大学客員教授朱建栄氏から「当時琉球から福建への船での所要時間やルート」の質問が。
講義資料をもとに、丁寧な回答をいただきました。

同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。
各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。

一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座
https://www.tyg.jp/koukaikouza/oneasia/index.html