Academic Life & Research
教育・研究
[現代経営研究会]第4回を開催。日本最古のバーガーチェーン店・ドムドムの代表取締役が登壇
2023.11.27
さまざまな業界・企業の経営者をお招きし、現代社会を読み解くヒントを学ぶ「現代経営研究会」。
今期は「価値のデザイン」をテーマに開催しており、11/15(水)に第4回講演を実施しました。
今回の講師は、株式会社ドムドムフードサービス代表取締役社長の藤﨑忍氏。「思いやり経営が企業のイノベーションをつくる」という演題でお話いただきました。
藤崎氏はまず、ご自身の稀有なキャリアについて解説。
短大卒業後に結婚して専業主婦を務めたのち、ご主人の病気を機に、39歳にして渋谷109のアパレル店で働くことに。
見た目に反して誠実なギャルたちと一緒に働いたことで、「物事を多面的に見る『こだわらない心』を学ぶことができた」こと、それが現在にも生かされているとのお話がありました。
その後、居酒屋を起業するなどの紆余曲折を経て、縁あった(株)ドムドムフードサービスに入社した藤崎氏。
同社の赤字ぶりを知って驚愕し、経営改善に取り組ませてほしいと立候補したそうです。
その熱意が通じ、2018年、代表取締役に抜擢されました。
代表取締役になって、まず取り組んだのは「社内風土の改革」。
対話や手紙などを通じてスタッフとの交流を深めつつ、ドムドムならではの独自性を模索していくことに。
イベント出店や異業種とのコラボなどを行い、外部と積極的に関わる中で、「お客様と一緒にブランドを作っていこう」「美味しいはお客様との最低限のお約束。その一歩上をいく商品を作っていこう」とのコアコンセプトが固まっていったそうです。
そのコアコンセプトに基づき、コロナ禍にはお客様から要望のあったマスクを販売したり、ファストフードの常識にとらわれない「丸ごとシリーズ」のハンバーガーを開発したりと、様々なことにチャレンジ。
お客様やスタッフの声を聞き、反映する「思いやり経営」を続けた結果、2021年3月期より赤字を脱却し、2022年、2023年も黒字化できたとのお話がありました。
藤崎氏は最後に、ドムドムの「価値のデザイン」について言及。
「渋谷109で働いたことをきっかけに『こだわらない心』の大切さを学びました。ドムドムも『ファストフードだから』というこだわりを捨てたことで、価値をデザインできたと思っています」と語りました。
講演後は、本学の現代経営学部の学生をはじめ、多くの参加者から質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。
次回の現代経営研究会は11/29(水)に開催。株式会社クレディセゾン代表取締役会長CEOの林野宏氏を迎え、「21世紀の社会と経営」という演題で講演いただきます。
詳細・受講のお申込み(事前登録制)は以下リンク先にてご確認ください。
https://www.tyg.jp/koukaikouza/business/index.html