Academic Life & Research
教育・研究
「見えない」不安の中で支えられる体験。堀口ゼミによるブラインドウォーク実習
2024.07.16
6/21(金)、人間科学部「臨床心理学(スクールカウンセリング・心理療法)ゼミ」(堀口真宏教授)の3年生が、ブラインドウォークの実習を行いました。

ブラインドウォークとは、アイマスクをつけた人と誘導役に分かれ、「見えない」状態で歩き回ることにより、日常とは違う感覚を体験するというワークです。本ゼミナールでは、心理的な側面から、悩みや苦しみを抱えるクライエントのそばにいるセラピストの役割、また一緒に歩みを共にしていくセラピーのプロセスの一部を体験的に学ぶことを目的としています。
ブラインドウォークは、本学1号館内で実施されました。学生たちにとって馴染みのある場所にもかかわらず、いざ視覚を封じた状態で歩くとなると、いつもとは全く違う感覚に驚きの声が。
一方、誘導役の学生も、「見えない」だけでエスカレーターや階段の移動はもちろん、部屋に入る前にドアを開ける、机や椅子を避けて歩く…といった普段は深く意識しないような動作にも危険が伴うということを目の当たりにし、一気に真剣な表情に。
声のかけ方や手の引き方などを工夫して、パートナーの安全を確保していました。

危険時には、足がエスカレーターの段差に乗りあげないよう誘導役がタイミングを促す。
また、5階の学食では、「席に座る」「お茶を飲む」といった動作に挑戦する学生たちも。
日常的な動作の一つひとつが、目を隠していることで普段とは異なる感覚になることを実感していました。
何気ない日常の動作を行う中で、視覚の重要性やいつもとは違う心の動き、言葉や動作での補助・介助についても、新たな発見がたくさんあったようです。
ゼミ生からは、「目隠しをするだけでこんな不安になると思わなかった」「普段気づかなかったけれど、視覚が遮断されると聴覚が敏感になった気がする」「ただ不安のなかで近くで寄り添ってくれる人がいたおかげで安心することができた」などカウンセリングに通じる感覚を体験できたという声も報告されました。