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Z世代にささる和菓子を探る!京菓子の老舗女将×川端ゼミ・堀口ゼミの産学連携プロジェクト

産官学連携,現代経営,人間科学

2024.07.22

6/28(金)、現代経営学部「日本経済研究ゼミ」(川端和美准教授)と人間科学部「臨床心理学(スクールカウンセリング・心理療法)ゼミ」(堀口真宏教授)とが産学連携プロジェクトを実施。
京菓匠 笹屋伊織 十代目女将の田丸みゆき氏を招き、田丸氏からの貴重な講演と「若者が和菓子を手に取りやすくするには」をテーマに、本学学生が企画の提案を行いました。
常に新しいことにチャレンジし、経営をV字回復させてきた田丸氏を前に、学生たちはそれぞれの学部の特性を生かした提案を発表しました。

授業前半、田丸氏は、「柏餅」を例に挙げ、歴史の中で季節や行事に密接に関わりがあり、子孫繁栄など「意味」を持っていることなど、和菓子のあり方について学生たちにわかりやすく解説。
単なるスイーツでもお菓子でもない「和菓子」を発信していく際に、そのルーツを知って欲しいと語りました。
さらに、田丸氏は、和菓子の世界だけではなく、これから社会に出る4年生に向けてあたたかいお言葉を伝えてくださいました。中でも、人から信頼される3つのこと「時間(期日)を守る」「人のお金も大切にする」「何事も諦めないで継続する」ことの大切さは学生のこころにダイレクトに響いたようです。

京菓匠 笹屋伊織 十代目女将 田丸みゆき氏

Z世代の学生たちと言葉を交わしながらの講演

その後、いよいよ両ゼミによる企画の提案会が行われました。
まず、堀口ゼミの学生は、若者が和菓子を手に取らない理由や若者の消費傾向を考察し、和菓子を手に取ってもらうための提案をプレゼン。
「きものレンタルとのコラボ」や、「脂質が少なく、筋トレにも適した和菓子の必要性」「心理学を生かした『占い』という付加価値を和菓子につける」など、心理学を学ぶ学生ならではの提案がなされました。

堀口ゼミの提案発表

続いて、川端ゼミの学生は、現代経営的な視点から、まずは事前アンケートを実施し、エビデンスを示した上で数字から見た若者の和菓子に関する傾向を的確に分析し、それに沿った3つのキーワードで提案。
「カフェスタンド」「ネオ和菓子」「販売チャネルの拡大」といった施策により、ターゲットを若者に寄せても、老舗和菓子という格式を保ったまま実践できるのではないかとプレゼンしました。

川端ゼミは、コンビニでも格式を下げない販売方法の前例を提示

学生たちの提案を聞いた田丸氏からは、「期待以上の提案をしてもらってびっくりしている。すぐにでも実行できる提案は積極的に進めたい」「それぞれのゼミが特徴を生かした素晴らしい提案をしてくれて大変嬉しい」との講評が。
講演の中では学生に向けて人生のアドバイスもあり、授業が終わっても、田丸氏を囲んで活発に質問を続ける姿が見られました。
「若者が和菓子を手に取りやすくするには」というテーマでのコラボでしたが、学生達からの感想に「和菓子には意味のある名前がつけられていて、より深く興味を持ちました。」「お話を聞いて、ルーツを残しながらもお店を成長させていく、変わりゆく世の中だからこそルーツを残すことの大切さも知りました。」などの感想が多く寄せられ、田丸氏から学ぶことも多かったようです。
学生たちにとっては、若者の視点で企業に実践的な提案ができた大変貴重な機会となり、今後もコラボの可能性を感じる有意義な産学連携の場となりました。

最後は田丸氏と公式キャラクター「笹吉」を囲んで記念撮影