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【公開講座】第4回「わが国企業のマーケティング課題とポストコロナへの展望」

地域間連携,教養教育

2024.07.29

学問領域にとらわれない幅広い教養(リベラルアーツ)を学ぶ「公開講座」の第4回を7/6(土)に開催しました。

慶應義塾大学名誉教授の池尾恭一氏を講師に迎えた今回のテーマは「わが国企業のマーケティング課題とポストコロナへの展望」。
オンラインによるライブ配信も同時に行われ、71名(対面23名、オンライン48名)の方にご参加いただきました。

池尾恭一氏

池尾氏はまず、「マーケティング」とは4P(Price,Product,Promotion,Place)を活用して、顧客が求める製品やサービスを自然と売れるようにする「販売支援」と説明。
授業前半は、日本企業の現状とどのようなマーケティング課題を抱えているかを、歴史的経緯と世界企業の動きから解説しました。

企業が生産性をあげていくには付加価値向上が求められているなか、日本が誇る「モノ作り」と「サービス品質」が付加価値に結びついていないとした池尾氏。
今後は、顧客が求める付加価値の中でも「意味的価値(精神的価値)」を追求していくことが不可欠としました。
一方で、デジタル社会が発展していく中で、マーケティング目標も変化し「購買」「満足」「再購買」に加え、「顧客との絆」を意味する「顧客エンゲージメント」の重要性を説明。
「顧客エンゲージメント」と「意味的価値」の関係性について、紐解きました。

後半では、新型コロナ危機の中で顕著な動きを見せた「オムニチャンネル」「D2C(Direct To Consumer)」など流通方法の変化について説明。
新型コロナ危機により、消費者行動の新たな傾向において「顧客エンゲージメント」が重要であることが、浮き彫りになったとしました。
さらにその促進のためにも「意味的価値」を追求していくことが有効であると締めくくりました。

講演後は参加者から「金融機関の顧客エンゲージメントを高める取り組みはなにか?」「今後伸びていくべき業界は何か?」など池尾氏に知見を求める質問が多く寄せられ、質問のひとつひとつに具体的に回答をいただきました。