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【公開講座】第3回「シティズンシップ教育の展望と課題」

地域間連携,教養教育

2024.08.06

学問領域にとらわれない幅広い教養(リベラルアーツ)を学ぶ「公開講座」の第3回を6/29(土)に開催しました。

今回のテーマは「シティズンシップ教育の展望と課題」
オンラインによるライブ配信も同時に行われ、82名(対面48名、オンライン34名)の方にご参加いただきました。

講師は、白梅学園大学・短期大学学長であり、東京大学名誉教授の小玉重夫氏。

講演ではまず、市民(シティズン)が単なる住民という意味にとどまらず、「政治に参加する人」、専門家に対する「素人」という意味合いを持つとし、シティズンシップとは何かを紐解きました。
続いて、今回の主題である日本のシティズンシップ教育の現状と課題について、歴史的経緯を含めながら解説しました。

2015年に選挙年齢が18歳に引き下げられたことにより、それまでタブーとなっていた学校における政治教育が大きく変化したことを説明。
教育基本法第第14条に掲げる、「良識ある公民として、必要な政治的教養の教育をどのように行っていくのか」と「政治教育の中立性を保つこと」の両立が、日本におけるシティズンシップ教育の課題としました。

さらに、千葉県の高校で行われた政治教育を、NHKが取り上げた番組を小玉氏が紹介した放送大学の講座映像を紹介。
新たなステージとして、「社会に参加し、自ら考え、自ら判断する主権者を目指す『主権者教育』」を実践しているとし、課題を抱えながらも『主権者教育』が進められていると解説しました。

後半では、水俣病慰霊式の懇談会で起きた「マイク切り事件」などについて、シティズンシップの課題について、違った視点で言及しました。

講演後は参加者から多くの質問が寄せられ、質問のひとつひとつに丁寧に回答していただきました。