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教育・研究
[現代経営研究会]第3回を開催。株式会社東京ドームの代表が考える「地域との結びつきを大切にした街づくり」とは?
2024.11.19
さまざまな業界・企業の経営者をお招きし、現代社会を読み解くヒントを学ぶ「現代経営研究会」。
第17期となる今期は、「結ぶチカラ」を年間テーマとし、全5回すべて対面・オンラインでの併催を予定しています。

株式会社東京ドーム 代表取締役社長 COOの長岡勤氏
11/6(水)に行われた第3回講演には、株式会社東京ドーム 代表取締役社長 COOの長岡勤氏を迎え、「地域との結びつきを大切に~東京ドームシティのまちづくり~」という演題でご講演いただきました。
東京ドームシティは、本学のすぐ近くにある一大レジャー施設。東京ドームを中心に、遊園地やホテル、融合商業施設ラクーアなど、数多くの施設が点在し、まさにひとつの“街”をつくり上げています。

東京ドームシティを構成するさまざまな施設
長岡氏は冒頭、自身の経歴や自社の事業内容について解説。東京ドームシティの“顔”ともいえる東京ドームの紹介にあたっては、通常、ドームツアーの参加者しか見られない映像の特別公開も。1988年に誕生し、プロ野球の試合やコンサートなどが行われてきた東京ドームの歴史を深く知ることができました。
続いて話題は、メインテーマである「街づくり」へ。東京ドームシティは、個々の施設に対する人気は非常に高いものの、「ひとつの街としてのイメージが薄い」という課題があったそう。46年前に入社し、企画・開発に長年携わってきた長岡氏自身も、「東京ドームシティをひとつの街として整備したいという想いをずっと持っていた」というお話しがありました。

街づくりの施策についての解説
街づくりにあたっては、「心が動く、心に残る。」をテーマに、ブランドストーリーの作成やロゴの刷新、施設リニューアルなどを実施したとのこと。
リニューアルの際は地域との連携も大切にし、近隣住民の要望を反映してカルディやキルフェボンなどを誘致したり、地域の名産・文化を伝えるために地元の店に出店してもらうなどの工夫も。その結果、近隣住民に喜ばれ、集客のアップにもつながっているそうです。

近隣住民の要望が高かったキルフェボンの誘致にも成功
また、近隣にある小石川後楽園との関係性も重視しているとのこと。景観に配慮して開発を行っているほか、2024年には初のコラボ企画として夜間のライトアップを開催したとのお話しもありました。

小石川後楽園でのライトアップイベントの様子
さらに、地域連携の事例として、本学の現代経営学部との産学連携プロジェクトについての紹介も。これは、本学の学生が東京ドームシティの来場促進施策を考え、そのアイデアを具現化するというもので、大成功を収めました。長岡氏からは「企業・学校の双方にとって得られるものが非常に大きいと感じた。今後もぜひ連携を行っていきたい」とのコメントがありました。

現代経営学部・八塩ゼミとの産学連携プロジェクトについて解説する長岡氏
長岡氏は最後に、「今後も東京ドームという会社は、地域との結びつきを大切に、安全・安心な『世界にひとつのここにしかないエンターテインメントシティ』を追い求め続けることを社会的使命と捉え、変わることのない感動の共有、そして次世代への新たな価値を持続的に創出していきたいと思っている」と語りました。
講演後は、参加者から多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。

本学の在学生や卒業生も聴講し、講演後には長岡氏に質問
次回の現代経営研究会は11/20(水)に開催。Orbray株式会社 代表取締役社長の並木里也子氏を迎え、「未来を築くサステナブルな企業」という演題で講演いただきます。
詳細・受講のお申込み(事前登録制)は以下リンク先にてご確認ください。
https://www.tyg.jp/koukaikouza/business/index.html