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現代経営

卒業生でファイン(株)代表取締役として活躍される清水氏に聞く、「起業」と「事業継承」の違い

現代経営

2024.11.26

10/21(月)、本学の前身である東洋女子短期大学の卒業生で、現在は家業を継いでファイン株式会社の代表取締役を務める清水直子氏が来学。
現代経営学部「事業継承概論」(石黒順子准教授)のゲスト講師として、事業継承のご経験についてお話を伺いました。

ファイン株式会社代表取締役 清水直子氏

清水氏は欧米文化学科を卒業後、英語力を生かして貿易業界の企業を経て、家業である歯ブラシメーカー・ファイン株式会社に入社。
2010年に代表取締役として事業を継承され、75年続いた歯ブラシ事業に加えて樹脂製造事業への新規参入を行い、経営のV字回復を果たすなど精力的に活動されています。

今回のゲスト講義は、「起業と事業継承の違い」という話題からスタート。
創業者から清水氏の父、母、そして清水氏へと、時代に合わせた変革を行いながら受け継がれてきたファイン(株)の歴史と事業の移り変わり、子どもや介護現場向けのアイテム、環境に配慮した製品など、市場規模が小さくてもフレキシブルな商品開発・展開ができるという小規模メーカーならではの強みについても解説いただきました。

「父も母も自分もみんな事業継承組」というご環境で、各世代の事業継承や社長としての経営スタイルの違い、アントレプレナーシップ(創業者精神)のあり方を間近に感じ、自らも実践されてきた清水氏のお話は大変興味深いものばかり。
事業継承者として会社の業務カイゼン(改善)に取り組み、経営革新・求心力のアップを行うことと、前社長へのリスペクトを持ち花道を飾ることを同時進行された経験など、ゼロからの起業とは異なる「事業継承」の舞台裏について学びました。

また、授業の後半では、「もしも自分が社長だったら、どの部分からどのように『カイゼン』するか、誰に相談するか」というテーマでのワークショップも実施。
「マニュアルを作り、仕事内容が社員にわかる状態にする」「(歯ブラシメーカーなので)口腔内のことを勉強する」といった、学生たちから集まった声に対して、実際に同様の取り組みをしたご経験や成果、実践する過程で起きたこと、社員の反応など、「現場」での実践例や課題解決について知り、事業継承についてより深く研究するための大変貴重な機会となりました。
講義後には、「親族内継承の事例はドラマなどでしか拝見したことが無かったので、実際にされた方のお話を聞けてとても新鮮で勉強になりました。走り続けている方のバイタリティなど直に触れることが出来てとても刺激になりました」、「自分の行動は自分で責任をもって自分自身で考え抜いて決めていくことが大切であるという言葉がとても響きました」、「人生の選択肢が増えた気がします。自分もいずれ家業を引き継ぐことになると思うので今回の話は為になりました」などの感想が学生から寄せられました。