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教育・研究

現代経営

「飛常識マインド」で道を切り拓く--多彩なキャリアから学ぶサービスの本質

現代経営

2025.10.02

東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。

7/21(月)、現代経営学部の3年次科目「サービスマーケティング」(八塩圭子教授)が、株式会社Nexcy代表取締役であり、西武文理大学サービス経営学部特任講師も務める山本千夏氏をゲストに迎え、特別講義を実施。山本氏は、本学の前身である東洋女子短期大学の卒業生でもあります。
講義では、金融、航空、広告、ホテル業界など幅広い業界で活躍してきたご自身のキャリアをもとに、どの業界にも通底するサービスの本質についてお話いただきました。

山本氏

新卒でさくら銀行(現・三井住友銀行)に入行した山本氏は、貸金庫の接客業務を担当時、夏には自宅から冷やしおしぼりを持参したり、お客様の好みに合わせたおもてなし対応を行ったりなど、独自の発想で顧客満足の向上に努めました。
さらに、特技を生かして支店内でロビーコンサートを企画するなどの取り組みも評価され、新入社員として初めて支店長賞を受賞。
この経験を通じて、「人と違う視点で考え、型にはまらない発想や工夫をする『飛常識マインド』は、むしろ評価される」という気付きを得たと言います。

その後、以前から憧れていた客室乗務員として全日本空輸株式会社(ANA)に勤務。
マニュアル化された日常業務の中でも、飛行機に搭乗するお客様一人ひとりの背景に目を向け、「人生に寄り添うサービス」を大切にされてきました。
中でも、ある日、亡き配偶者の遺骨を抱いて搭乗した女性客に出会い、その方の想いに応えようと尽力したことで、「サービスの本質」を深く見つめなおす契機となったというエピソードをお話しいただきました。

また、広告代理店・電通東日本に契約社員として入社した際には、「クライアントから指名される存在になれば正社員への道が拓ける」と考え、自ら積極的に企画提案を行ったという山本氏。
その結果、企業から営業担当指名を受け、わずか1年で正社員に登用されたそうです。

その後も、広告代理店時代のクライアントだったジュエリーブランド・LoreeRodkin JapanのアジアGM、外資系の広告媒体社を経て、株式会社KADOKAWAで埼玉県所沢市の「サクラタウン」でホテルの運営責任者を務め、地域連動企画や夏至祭の企画実施など同タウン全体のマネタイズにも取り組むなど、様々な業種・業界で「サービス」に関わってきた山本氏。

講義の最後には、学生たちに対して「今は色々な人に会って、今しかできない経験を重ねてください。自分で考えて動ける力をつければ、未来がひらけます」とのメッセージと、「impossible」(不可能)を「I’m possible」(私はできる)に読み替える前向きな姿勢を紹介し、学生たちに大きな勇気を与えました。

八塩教授と山本氏

受講した学生からは「サービスに正解はなく、相手の気持ちに寄り添いながら感性を磨く姿勢が求められることを学んだ」「失敗を恐れず、経験を重ねることで得られる学びを積み重ねると、未来が開けるという言葉に励まされた」「サービスとは、相手の気持ちに寄り添い、状況に応じた最適なサービスを自ら考え、行動に移すことだと学んだ」などの感想が寄せられました。