Academic Life & Research
教育・研究
13施設の現場で学んだこと。公認心理師課程「心理実習」成果報告会を開催
2026.11.05
2026年10月2日(金)、2年次科目「心理学的支援法」(鈴木義也教授)にて今年度の心理実習を終えた4年生5名による成果報告会を開催。保健医療、福祉、教育、産業・労働、司法・犯罪の主要5分野、計13施設で実習した5名がそれぞれ2施設を取り上げ、実習での経験や学びを後輩たちに報告しました。

課程の概要を説明する磯上実花助教
公認心理師は、心理職として日本で唯一の国家資格。資格を得るには、大学で所定の課程を修めたうえで大学院に進む必要があり、本学人間科学部でも大学で修める必要のある所定の課程が履修できます。
課程の最終科目である「心理実習」では、前述の5分野の施設を訪れ、心理職がどのように働いているのかを現場で学びます。2〜3カ所の見学にとどまる大学も多い中、本学では今年度、実習生全員が13施設すべてを訪問しています。
※ご協力いただいた施設・団体は文末参照

児童養護施設こどものうち八栄寮と流山市教育委員会(教育支援センター)での実習報告では、「堅苦しい場所では」という事前の想像と現場の姿との違いを紹介。好きなものを自由に飾れる子どもたちの部屋や、「何回間違えても大丈夫」という声かけを目にしたことから、自分の目で確かめることの大切さが語られました。

特定非営利法人あおぞらと住商ウェルサポート株式会社についての発表では、NPOと企業それぞれの支援を体験したことで、心理的な支援とは「本人の代わりに何かをすることではなく、行動できる条件を整えること」だとまとめられました。


東京科学大学病院と無料塾オリーブみらいを訪れた学生は、精神科カンファレンスへの陪席や、家庭訪問まで行う支援の事例から、心理職の役割の広がりを報告。
千葉市立西の谷小学校の特別支援学級とよこはま若者サポートステーションの現場からは、一人ひとりに合わせた支援と、本人が考え選ぶ機会を守ることを両立させる大切さが示されました。

東京西少年鑑別所と母子生活支援施設リフレここのえでの実習報告では、表面的な言動だけでなく、その背景まで含めて人を理解する視点の大切さが伝えられました。

会場からは「実習前にどのくらい下調べをしたのか」「犯罪や暴力が関わる施設ではどんな点に気をつけたのか」といった質問が寄せられ、ヘアピン1本まで持ち込みに配慮した見学の様子なども紹介されました。
最後に実習をサポートしてきた磯上助教は「生成AIで文章が簡単に整う時代だからこそ、現場で自分が何に心を動かされたのかを問う力が大切。同じ施設に行っても、人によって拾ってくるエピソードは違う」と語り、心理実習への挑戦を後輩たちに呼びかけました。
<2026年度 心理実習 実習先(順不同・敬称略)>
■保健医療
医療法人静和会 浅井病院
東京科学大学病院
あおきメンタルクリニック
■福祉
児童養護施設こどものうち八栄寮
母子生活支援施設リフレここのえ
無料塾オリーブみらい
特定非営利法人NPOあおぞら
社会福祉法人むくどり
よこはま若者サポートステーション
■教育
千葉市立西の谷小学校
流山市教育委員会(教育支援センター)
■産業・労働
住商ウェルサポート株式会社
■司法・犯罪
東京西少年鑑別所