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教育・研究
[現代経営研究会]建機ビジネスも「モノからコト」へ。日立建機株式会社社長・平野氏による第5回講演を開催
2020.12.18
12/9(水)、「現代経営研究会」の第5回講演をZoomウェビナーで開催しました。今回の講師は、日立建機株式会社 代表執行役 執行役社長 CEOの平野耕太郎氏。
「大変革期を迎える建設・マイニング機械ビジネス」というテーマでお話いただきました。
建設現場で見かける油圧ショベルから、海外の鉱山などで使われる大型ダンプトラックまで、さまざまな建設機械・マイニング(鉱山)機械の開発・生産・販売・サービスを行う日立建機株式会社。1950年に日立製作所の建設機械部門として建設機械の量産を開始し、1970年に分離・独立、今年は建設機械の本格生産を始めて70周年と分離・独立50周年の節目の年に当たります。
演目にもあるように、「建機ビジネスは今、大変革期の渦中にある」と平野氏。同社では、1970年~2000年頃は国内中心、2000年~2015年頃はグローバルにビジネスを展開。近年はグローバル化を維持しながら、バリューチェーンという新たな分野に注力しているというお話がありました。
バリューチェーンとは、建機のレンタルや中古販売、運行管理システムの提供など、いわゆる製品(新車)以外の売り上げの総称。労働者不足や環境規制の強化、デジタル化といった世の中の変化に伴い、顧客ニーズが「モノからコト」へとシフトする中で、バリューチェーンに新たなビジネスチャンスを見出し、さまざまな挑戦をしているという解説がありました。
また、同社が積極的に取り組んでいるESGに関するお話も。2030年に向けてCO2削減の高い目標を立てており、機械の電動化やハイブリッド化を進めるのはもちろん、使い方にまで踏み込んで効率化を図り、CO2削減を実現する考えだそうです。
ダムや道路などの街づくりに貢献し、人々の暮らしを支えている建設機械。近年は、故障予知や自律運転、事故予防のための検知センサなど、安心・安全をサポートするAI技術も進化してきているそう。普段はうかがい知ることのできない建設機械の「今」を学ぶ貴重な機会にもなりました。
講義後には、本学学生をはじめとする受講者との質疑応答も行われ、「新型コロナによる需要減少をどのように乗り切るか?」といった質問にも丁寧にお答えいただきました。