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【第6回公開講座】市民社会の役割とは。「見える化」から読み解く日本の政治と社会の現在とこれから

教養教育

2026.09.24

東洋学園大学では、最先端の研究を地域社会に還元するために、学問領域にとらわれない幅広い教養(リベラルアーツ)を学ぶ「公開講座」を全6回わたって開催してきました。

2026年度(全6回)も、多くの方々に生涯学習の機会を提供するため、都心の本郷キャンパスでの対面に加え、オンラインによるライブ配信も行いました。

最終回となる第6回は7/25(土)に開催し、151名(対面57名、オンライン94名)の方にご参加いただきました。

今回は、本学の辻中豊学長(元日本政治学会理事長、筑波大学名誉教授) が講演を行いました。
最終回のテーマは「日本と世界の政治を『見える化』する―これまでとこれから―」。

辻中学長は講演冒頭、昨今の選挙結果や華々しい外交など、表面に見えている政治の話題に触れながら、「日本は政治学上の評価は高いとされているにもかかわらず、なぜ国民は満足感を得ていないのか。その背景にある政治の世界と私たち市民社会がうまく連動していないという問題意識から、現実を見える化し、解決への手がかりを提示したい」と語りました。

辻中豊学長

続いて、自身がアメリカ留学をきっかけに市民社会の研究を志した経緯や、日本をはじめアメリカ、韓国、中国など16か国で調査を実施し、36か国を訪問してきた研究実績「辻中-JIGSプロジェクト」を紹介。
「アンパンアプローチ」として、身近な「アンパン」のイメージを使って、政治の表層(ゴマ)とその背景にある市民社会などの「深層」(アン)を解説するなど、複雑な領域をわかりやすく解説しました。

国際的なデータ(V-DEM)を用いて、各国の市民社会と民主主義との関係や現状を比較分析。
市民社会が活発な国ほど民主主義が安定する傾向が見られることを紹介し、市民社会の役割の重要性について解説しました。

そんな中、日本社会については「世界から高い評価を受けている」一方で、政治や社会に不満を感じる日本人が多い現状について指摘。
外国人留学生に人気の高い日本文化をはじめ、民主主義、福祉、平和主義などが国際的に評価されている一方、「最小の政府」「巨額の政府債務」「長期政権と短命な首相」という、日本政治の特徴を「三つの謎」として取り上げ、その背景を「市民社会」の視点で考察しました。

さらに、日本独特な市民社会の構造についても言及。
農業や経済、地域、各種業界団体のほか、消防団やPTAなど無数の地域・民間組織が存在し、市民社会を支えていること、しかし一方で人々の「参加意識」が低く、少子高齢化や地域コミュニティの衰退という問題も抱えている現状について説明しました。

講演の終盤では、中国、アメリカ、ロシア、ドイツなど、各国の政治と市民社会の現状について解説。
デジタル型、プラットフォーム型の社会に変化する中で、市民社会や政治にも変化が訪れていることを語り、
「日本が持つ伝統的な福祉社会・市民社会の強みを生かしながら、政治と社会をいかにしてより良く結び付けてきくべきかを考える時期が来ている」「今後もその答えを模索し続けたい」と述べ、講演を締めくくりました。

講演後は会場、オンラインから数多くの質問が寄せられ、講義内でも触れられた日本における市民社会・市民団体の課題についてさらに深掘りすることに。
市民社会についてより身近に考えて真摯に向き合う、非常に充実した内容の質疑応答となりました。

最後に、司会の本庄教授から2026年に100周年を迎える本学の活動を紹介、ご参加とご支援の御礼を述べ、今年度の公開座全6回を終了しました。

司会を務めた本庄加代子教授

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。