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教育・研究
特別講座「ポストコロナの世界とアジア」第10回報告:新型コロナウイルスを制した中国のIT技術を知る
2020.12.01
一般財団法人ユーラシア財団 from Asiaの助成による特別講座「ポストコロナの世界とアジア―アジア共同体への新しい可能性」第10回講座を11/27(金)に開催。
「コロナとの戦いで見える中国の社会とIT技術」というテーマで、上海華鐘データ管理コンサルティング 総経理の古林将一氏にご講演いただきました。


上海華鐘データ管理コンサルティング 総経理の古林将一氏
講義では、各国の病床数や中国・日本の感染症状況の比較といったデータの紹介後、中国で行われた感染拡大防止策について解説。
講演が行われた日、上海市の感染者は7名のみに抑えられているものの、出入国時はもちろん地域を移動するにもPCR検査の結果を持参するなどの対応が必要となっているそうです。
3月時点で感染発覚から2日かからずに勤務先・住居区域・訪問先を閉鎖し、濃密接触者・スクリーニング対象者を特定、全員のPCR検査を終える、というスピード感で行われていたという中国の感染防止策と、そのために人工衛星による位置情報、5G、ブロックチェーン技術、AI(人工知能)といったIT技術がどのように活用されていたかを分かりやすくお話しいただきました。

スマートフォンアプリを使った情報集約の様子

その後、5Gの普及や自動運転システムの開発状況、AI(人工知能)業界やデータセンター等の動向について、進化を続ける中国のIT技術を実際の体験談や現地での話題を交えてお話しいただきました。
さらに、アフターコロナの中国消費市場について、テレワークやデリバリー、オンライン医療・教育、ライブコマースといった新たな仕事が生まれていること、オンライン化に成功した業界が伸びていることなどもお話しいただきました。
最後に、中国でも個人情報保護法が検討されていることに言及しつつも、「データがあったからこそコロナに対応できた、(データによって)便利な社会が実現できるということも事実」と語った古林氏。
データの時代という世界的な潮流の中、IT技術の活用が進む中国社会について詳しく学ぶことができ、学生からも「勉強になった」という声が上がっていました。
本講座は2021/1/8(金)まで、1/1(金)を除く毎週金曜日の13:00~14:30にZoomウェビナーによるオンライン講座として開講。
次回は12/4(金)、テーマは「アジアを結ぶ赤い絆『トウガラシ』」(講師:元朝日新聞編集委員 加藤千洋氏)です。
一般の方々は無料で受講可能ですので、以下URLより事前登録の上、ふるってご参加ください。