重要なお知らせ
東洋学園大学 ChatGPTなどの生成AIへの本学の考え方(学長声明)
2023.06.21
学生の皆さんへ
東洋学園大学 ChatGPTなどの生成AIへの本学の考え方(学長声明)
2023年6月21日
東洋学園大学学長
辻中豊
今年に入って、ChatGPTやBingAIなどの対話型の生成人工知能(以下、生成AI)が一般の利用に供されるようになり、大きな衝撃を与えています。世界各地の大学においても、レポートや論文作成などにも活用できることから、利用をめぐって議論が生じています。生成AIは、自然な対話を通じて人々にまとまった知識や着想を与えるだけでなく、文書の要約、翻訳、校正、作表、作図、プログラム作成ときわめて多様な利用や展開が可能であり、これからの世界を大きく革新していくことが予想されます。
これからの皆さんの学習や研究においても、生成AIの利用は、不可避な状況です。このように豊かで多面的な活用が可能であるとともに、科学技術の常として、一定の限界と危険性をはらんでいることも指摘されています。
【本学の考え方-基本姿勢】
本学は、こうした限界や危険性を踏まえつつ、教育や研究においても、生成AIを、モラルをもって賢明に活用していくことが必要であると考えています。
学生の皆さんも、インターネット(検索エンジン)利用と同様に、生成AI利用は不可避の現実である点をご理解いただき、以下にのべるような注意事項を守って、しっかり活用する、という方針で学習や研究に取り組んでいただきたいと思います。
【活用にあたっての注意事項】
1)教育の現場において、生成AIが生成した文章、レポートをそのままの形でコピーペーストし、自分が作成したレポートとして提出することは、これまでのインターネット上の文書をコピーペーストし提出することと同様、教育と研究の観点では剽窃(ひょうせつ、盗用)にあたります。そのままの形の文章は、生成AIが作成したものであるからです。
生成AIを活用し作成したレポートを、自分の成果物、作品として提出するにあたっては、必ず、with AI、つまり、どの種のAIと対話して作成したこと、またどのようなプロセス、つまりいつ、どのように、AIとの対話を深めていったか(どのような質問をしたか)を記録(保存)し、注記などの形で、はっきりと示すことが必要です*。学問では、問いをたてることが最も重要な出発点です。
2)生成系AIの回答は、あくまでも自然言語処理技術に基づいて確率的に生成された回答です。そのため、時には不適切で危険な回答を生成することがあります。
3)生成AIは、きわめて自然な言語で回答します。ただし、その内容は、正しいとは限らず、いわば堂々と嘘をつくことがあります。正確性を担保するために、かならず自分で情報を確認する作業が必要です。
4)生成AIを部分的にでも使用して作成した文章とその内容に関して、それを発表し、またレポートとして提出した場合、発表者や提出者が全責任を負うことになります。
【特に注意するべき事項】
5)プライバシーやセキュリティなど秘匿すべき情報を生成系AIに入力すると、それらの情報が流出する可能性があります。生成AIに個人情報や大学の機密情報など、公開してはいけない情報は絶対に入力しないでください。
* 生成AIの種類を明記し、日時、主要な質問(prompt)を記すこと、またLog(対話全記録)を保存して残すことが考えられます。一般的には、下記のような記載方法があります。
OpenAI. (年). ChatGPT [ソフトウェア]. https://openai.com/ から取得。
以上