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教育・研究
95案がボツ?!大苦戦だったドローンのSNSブランディングプロジェクトを本庄ゼミがついに完遂!
2025.03.12
東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。
12/9(月)、現代経営学部「マーケティング戦略とプロジェクトマネジメントゼミ」(本庄加代子教授)と国内屈指のドローンメーカーである株式会社石川エナジーリサーチ(IER)の産学連携プロジェクトの最終報告会が行われました。

感動!とのコメントを頂いた石川社長と林執行役員(中央)と、やり遂げた学生の熱狂の様子
本庄ゼミでは「大海を泳ぐチカラ」を教育理念とし、プロジェクトマネジメント教育を10年間積み上げてきました。
2024年度は、「ドローンのSNSブランディング」をテーマに、2024年の3月からプロジェクトを進めてきました。
学生たちは多様な角度から市場分析を行い、情緒的価値の訴求が必要であることを特定、ERのブランド力を強化するためのSNS動画を制作。
現場視察やトップインタビュー、社内インタビューを通じてIERの組織文化を理解し、共感を呼ぶエモーショナルな表現を模索しながら企画を練り上げました。
課題やターゲットの設定から、構成、撮影、編集に至るまで、試行錯誤を重ねながら制作を進め、同社が誇る世界トップクラスの機能性を、迫力ある演出と撮影によって表現しました。
苦労の末に100案出した案は、95案はボツ(!)となり、最終的に5本の動画とショート動画を制作。
ブランディングの一環として効果を測定し、その成果を発表しました。

3月からのプロジェクトについて振り返る山田晴久さん(左)
制作した動画はIERの公式InstagramやYouTubeで発信し、アナリティクスやアンケートを使ってマーケティング効果の測定・分析を行いました。
学生たちの制作した動画はこちら 石川エナジーリサーチ – YouTube

動画の紹介をする宮崎さん
ゼミ生たちは社会人ゲストの皆さまを前に緊張しつつも、各動画がどのような価値を訴求する目的で作られたか、それに対して視聴者からどのような反応があったかを、エビデンスと共に紹介しました。

動画広告の訴求ポイントについて発表する高松さん
そのうえで、YouTubeアナリティクスにおけるKPI分析、および「IERとの接点がなく、ドローンに一定の関心がある」農業・林業・漁業・鉱業・建設業従事者を対象としたアンケート調査(N=68)と自由記述欄の分析結果を発表。
今回のデジタルマーケティングを通じて、「最大目標(KGI)である情緒的価値の訴求と視聴者目線の補完に成功した」と分析し、IERのブランド価値の向上はもちろん、投資や取引先としての興味喚起、製品の購買行動にまでつながる可能性があると、マーケティングの視点から成果を報告しました。

発表スライドの一部
今回の最終発表会は本学キャンパスでの対面開催のほか、学内外の方々にご参加いただけるよう、オンラインでの中継を実施。
会場にはIERより代表取締役社長の石川満氏、SED連携担当執行役員の林一樹氏や評判を聞きつけた広告・マーケティング業界より制作会社社長やドローンスクール社長など、複数の聴講ゲストも参加されました。
また学生の保護者や本学の教職員、本庄ゼミOBなど大勢の方にお越しいただきました。

プレゼン後の質疑に耳を傾ける学生たち


外部ゲスト
プレゼンテーション終了後には、ご参加いただいた皆様との意見交換が行われ、他業界の方々からドローンやデジタルマーケティングに関するご意見を伺う貴重な機会に。
また、最後の講評では、石川社長からゼミ生の成長に対して非常に高い評価をいただくことができました。

「開始当初は非常に厳しかったが、本当に見事です!!」とIER 石川社長
閉会後は、本庄先生から司会や発表担当者はもちろん、プレゼン資料の準備、司会、配信、録画、ゲスト対応など、それぞれのスキルや長所を生かし、各所で活躍したゼミ生一人ひとりの努力と成長を讃えるコメントが。
ゼミ生同士もお互いへの感謝や長所、成長について伝え合い、各学生にとって今後の研究や就職活動へ向けて、大きな一歩となる最終報告会となりました。
ゼミ長 櫻井陽太さんのコメント

「SNSマーケティングをするうえで、産学連携先のIERの利益を目的として5本の動画を作ったのですが、最後のご講評で『3月、5月当初のゼミ生の表情から、今の表情が大きく変わった』と言っていただいて、思いを込めて活動し続けたことで、企業の利益だけでなく、『自分たちへ向けられる目』が良いものに変わるという成果を得られました。また、ゼミ長としては、仲間の一人ひとりの能力を生かし、主体性を伸ばすことを心掛ける一方で、全体を統括する立場として『次何が起こるか』を常に想定することの大切さを実感しました」
副ゼミ長 熊倉諒人さんのコメント

「前日、前々日は不安が大きかったが、振り返ってみれば自信を持って伝えたいことをしっかりプレゼンテーションできており、5月からのゼミ生の成長を感じました。自分自身、プロジェクトを通じてとても成長し、一生の友達もできました。ゼミ生14人にはそれぞれの素晴らしさがあり、ゼミのプロジェクトにおいて適材適所を見つけ出すことが重要でしたし、今後、仕事で上司になったときにも経験を活かしたいです」
本庄加代子教授のコメント

最後に学生より花を贈られた本庄教授(中央)
「今回は、学生たちの強い希望で決めたドローンという題材でしたが、今までのプロジェクトで一番困難なものでした。文系の学生が高い技術や世界的な競争を理解するのは難関なドローンとSNSブランディングの掛け合わせという一般ビジネスとしても難しい課題解決でした。学生たちはときに諦め、それでも粘り強くIER様に理解してもらうためにありとあらゆる情報を虱潰しに集め自分たちの限界に挑み続けました。高い技術力や組織文化を深く理解したうえで一般へわかりやすく伝えるという動画を作り上げ、企業様の満足に値するものを提供できたことを本当に誇りに思います。社会人それ以上の厳しさで、常に否定され続けながらも、ひとつの形を作りあげました。それは、『単に認められた』というレベルではなく、結果として多くの人々の心を動かしたという事実は、並大抵のことではないと思います。」
株式会社石川エナジーリサーチ 石川満代表取締役社長のコメント

「開始当初は、プロジェクトは非常に不安定で、時に厳しい意見も率直にぶつけさせていただきました。プロジェクトテーマが決まるまでは右往左往がありました。しかし、学生さんたちは、素直に耳を傾けていただき、毎回毎回会う毎に、取組み姿勢やプレゼン内容のクオリティがあがって行き、さまざまに成長の様子が手に取るようにわかりました。特に皆さんのベクトルが合ってからの動きは本当に目を見張るものがあり、最終的に完成した動画はいずれも非常に素晴らしかったです。何よりもっとも素晴らしいと感じるのは、ゼミ生たちが自分の成果物に自信を持てていること。これから社会に出る上で、外乱にも負けない自信をさらにつけられるよう精進して、活躍する人になってくれると確信しています!完璧でした!」

終了後のゼミ生の達成感が溢れた様子。

(事前準備の様子)「100案だしても95案がボツになった!」

(撮影時の様子)
詳細(これまでの活動レポート)はこちら
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